生きている間は楽しく生きていこう

私は肺病を治すために医学を学んだが、自分の病すら治せない。なんという情けない人間だろうと思う自責の念と同時に、肉体に感覚する病からの苦悩。もう寝る間も忘れられないほど苦しみましたよ。何年か苦しんだあげくに、ひょいと自問自答してみた。「待てよ、かりに非常に幸いな運命がめぐってきて、病が治ったとしても、永久に死なないというわけにはいかない。必ず時がくれば死ぬな」「治っても死ぬ。治らないでも死ぬだろう。このまま治らなきゃ、死ぬ時期が早いというだけで、いずれは死ぬということに変わりはない」「すると待てよ、かりにいちばん考えやすく、明日の朝、死ぬとしたら、まだ今夜は死んじゃいない」「では、どうせ明日の朝、死ぬんなら、その死ぬときまでは生きているんだから、ビクビク生きているよりは、生きている間は楽しく生きていこうという気持ちになったほうが、どうも得のようだがどうだ」と、こういう心構えでやってみようと思ったのが、そもそものはじめです。そういう気持ちになったときは、そりゃもうずいぶん嬉しかったですよ。