天は自ら助くる者を助く

 「天は自ら助くる者を助く」という言葉は、古くからある言葉だぜ。それを、自らを助けないで、自分というものをつくればつくられるのに、少しもつくらずにいて、そして、やれ病がどうの、やれ運命がどうのって言っている人間は、早い話が物好きにそういうことをやっているとしか考えられないじゃないか。

 たとえば、右見れば繚乱たる花園があり、左見ればゴミや糞がごろごろと転がっている。転がっている方面ばかりが見えるというときに、右見てればいいじゃないか。右見てれば、目にうるわしい花が己をたのしませてくれるのに、左ばかり向いていて、なんてこの世は醜いもんだと考えてる奴があったら、その人間を褒めるかい?

 自分が嫌な運命のなかに生きてる場合でも、注意がもっと良い運命の方に振り向けられていれば、たとえどんな運命のなかにいたってそれを気にしなくなる。

 幸福を本当に味わおうと思う秘訣はここにあることを考えなければ駄目だぜ。本当の幸福を味わいたいんだろ?