寝がけは尊い人間に

 昼間、起きているときには、我々の暗示感受習性というものは、われわれが、ああ、いいな、これは共鳴するわ、と感じたこと以外のものは、潜在意識の中に入らない。やってごらん。

 ところが、夜の世界だけは、特に寝がけに、寝床の中に入ってからは、、この精神のアンテナというものは、無条件に、よいことでも悪いことでも、もうすべてが、差別なく入り込んでしまう。だから、いいことを考えるんだ。嘘でもいいから、俺は優れた人間だ、俺は思いやりのある人間だ、俺は腹の立たない人間だ、俺は憎めない人間だ、俺は焼きもちを焼かない人間だ。こう思えばいい。

 それを寝がけによけい腹を立ててる奴がいる。昼間、興奮している間は思い出さなくて、寝がけになって思い出しやがって、「あん畜生、あんなことしやがった。ざまァ見やがれ」、もう一ぺん起き上がって腹を立てている奴がいる。夜の寝床の中だけは、神の懐へはいったような、おだやかな気持ちになってごらん。今夜から、寝がけだけは絶対に尊い人間になるんだ。毎晩尊い人間になったからといって、税務署から調べに来たなんてことはない。どんなに体にいい結果が来るか、やってみたものだけが知る味だ。やってごらんなさい。今夜から。