人間と感情

 「人間だから怒るのは当たり前だ」っていう人がいるけれども、どういうわけで人間なら怒るのが当たり前? 世のおおむねの多くの人々は、「怒ったり、泣いたり、怖れたりするのは、人間だからできるんだ。犬や猫や豚や馬でもやるかもしれないけれども、人間ほど繊細で、直観的な感情というものをもたないじゃないか」と言います。

 そしてそういう人にかぎって、「人間は感情の動物なり」というような間違ったことを言っていて、間違ったことを言っていないと思っている。「感情の動物だから、怒ったり、泣いたり、怖れるのは当たり前じゃないか」なんてね。屁理屈の出発点を間違えて、結論もやっぱり間違えて、正当なところに到着するはずがないんですよ。

 じゃあ人間とはなんだろう。正しい真理の上から厳粛に言えば、「人間とは感情の動物」ではなく、「感情を統御できる生物なり」。これが本当の人間の姿なんであります。

 しかるに、この本当の人間の姿だという真理のうえから、、厳しくあなた方の人生生活を考えてごらんなさい。感情を統御するどころか、しょっちゅう感情に追い回されていやしない?