取り越し苦労

 多くの人が気づかずに盛んにやっていることなんですけど、”取り越し苦労”を当然と思っている。しかし、取り越し苦労を当然と思う人は、何のことはない、自分の運命の墓穴を自分で掘っている愚かな人なのであります。昔の人の言葉にも、「さしあたる事柄のみをただ思え、過去は及ばず、未来は知られず」というのがあります。また、「心は現在を要す。過ぎたるは逐うべからず、来らずは邀うべからず」というのがあります。

 事の如何を問わず、たとえ、本当に心配することを心配した場合でも、心配しなくてもいいことを心配した場合でも、結果は同じなんです。すなわち、取り越し苦労をすればするほど、その心の消極的反映が即座に運命や健康のうえにまざまざと悪い結果となってあらわれるからであります。

 ですから、積極的精神を堅持して、自己の生命を本当に理想的に完全に確保していこうと思う者は、取り越し苦労は断然やめなければならないのです。何の役にも立たないんですもの。むしろ「百害あって一利なし」というのが取り越し苦労なんであります。