想像の作用

 想像の作用というものは、人間の観念活動のなかに何人にでも存在する心理現象です。現在の事実を中心として、それをいろいろと心の中で脚色し、あるいはそれを伸ばしてみたり、縮めてみたり、または全然現在の自己の人生に存在しない事柄をもいろいろ広く大きく、ああだこうだと思い考えること、これを想像という・・・・・・てなことは小学校のときに教わっているね。

 ところが、その想像の作用というものが、やがて、特に組織的で、しかも現実味を多分にもつと、立派な理想の根底をなし、さらにその結果、理想を事実化するという実際消息を多くの人はあまり知らないんですよ。実際、想像の作用には、理想をつくり、人格をつくり、あるいはその人の運命をつくるというような、あらゆる影響を一番先に与える。

 しかし、自分の希望する人生状態や、日ごろ自分の心でああなりたい、こうしたいという事柄を、なにかというと無制限に拡大し、引き延ばして考える場合が多いんですよ。想像を組み立てろといっても、ただやたらに馬車馬的な想像じゃいけない。それを考えないでやっていると、想像している種類によっては、反対に人格を向下し、品性を堕落せしめ、運命を壊し、人生を価値なくする恐れがある。