眼鏡の曇りを拭くように

 いろいろなエラーやミステイクを承知してやる奴はいないだろう。知らずにやってしまう。忘れ物ひとつだって、はっきり覚えて忘れて来る奴があるもんか。そうだろう。うっかりするからこそ忘れてくる。

 エラーだのミステイクだのっていうものは、自分が自分の心に対する注意を怠ったばかりに、心それ自体がとぼけちゃったからそうなるんだよ。もう言うほうが恥ずかしいくらいわかりきったことなんだもの。諸事万事を行う際には、、はっきりした気持ちでしなさい。

 ちょいと考えると、いかにも億劫で面倒くさくて、「いちいち何かするたびにはっきりした気持ち、そらとんでもねえことだ」と言うけれども、たとえば考えてごらんよ。かけている眼鏡が曇ったら、曇りっぱなしにしておく? 必ず眼鏡をかけている人だと、曇っているかいないかを見て、曇っているとハァーッと息を吹いて吹いているじゃないか。曇っているときに、「まあいいや、このまま曇ったままだかけとけ」って言ったら、何も見えないもの。

 それと同じことだということを考えたならば、心をピンボケにして使っちゃいけないんだってことがわかりそうなものだがなあ。難しくも何ともないんだよ。それが精神使用法の根本原則なんです。