認識力の養成

 今日の人々は、いたずらに知識のみに重きを置いて、そして知識を増すこと、磨くことばかりを努力していて、「認識力の養成」ということをおろそかにしている。

 認識力のほうをおいてきぼりにして、知識ばかり説いていると、学べば学ぶほど苦しくなり、究めりゃ究めるほど迷ってくる。なぜかというと、正しい知識を分別する力がなくなっちゃう。どんなに、学問を勉強して、知識内容を多くしても、心のもつ認識力というものがすぐれないと、本当の人生、幸福というものを自分のものにすることができない結果がくるんです。

 もし知識だけ磨いて人間が幸福になれるなら、学問を一生懸命勉強した人はみんな幸福になれそうじゃないか。そして、学問を勉強しない人はみんな不幸であるべきはずだが、そうじゃないでしょ。

 回帰百万遍、理屈べらべら言う奴が、案外人生をのたうちまわって生きている場合が多い。