象よりも哀れじゃないか

 インドに行きたての時、おまえは象よりも哀れな人間だと言われた。

 象も、あんなでかい、千五百貫もありながら、七つか八つの子供に尻ひっぱたかれながら、子供が引っ張って歩かない限り、一人では歩けないじゃないか、おまえは、あれよりもさらに哀れだと。象は自分一人の力で歩けない臆病者であるだけの哀れさであるが、おまえのはその上に自分の理屈で自分が迷っている。より一層哀れだと。

 それもこれも、おまえは自分というものの本当の正体を正しく見極めていないからだと