周章狼狽の愚

 多くいうまでもなく、人間というものは、いかなる場合にもその人生に活きる際、慌ててはいけないのである。

 というのは、人生に生ずる錯誤や過失というものは、その原因が、心が慌てたときに多いからである。

 慌てるというのは、またの名を周章狼狽というが、これは心がその刹那放心状態に陥って、行動と精神とが全然一致しない状態をいうのである。心がこうした状態に陥った時というものは、意識は概ね不完全意識になっているのである。